代表者 : LAZARUS MICHAEL
寝不足はダイエットの敵~睡眠時間が足りないと甘いものがほしくなる理由
2016/12/07
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筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)のミハエル・ラザルス准教授らの研究グループは、レム睡眠量を減少させると、ショ糖や脂質など、肥満につながる食べ物の過剰摂取が引き起こされる原因の一端を明らかにしました。食べ物の味や香り、食感などの嗜好を判断する役割を担う脳部位である前頭前皮質の神経活動を抑制したマウスでは、レム睡眠量が減少しても、ショ糖の摂取量は増加しませんでした。一方、脂質の摂取量は、前頭前皮質の神経活動抑制の影響を受けることなく、対照群と同様に増加しました。このことから、睡眠不足の状態にあるとき、体重を増加させる可能性のある、ショ糖が多く含まれる食べ物を摂取したくなる欲求は、前頭前皮質が直接的に制御している可能性が示唆されました。
図 レム睡眠が不足するとショ糖・脂質ともに摂取量が増加する。前頭前皮質の神経活動を阻害すると、ショ糖摂取量の増加は抑えられる。
掲載論文
題名
Chemogenetic inhibition of the medial prefrontal cortex reverses the effects of REM sleep loss on sucrose consumption
(前頭前皮質における神経活動の抑制により、糖類摂取量に対するレム睡眠不足の影響が変化する)
著者名
McEown K, Takata Y, Cherasse Y, Nagata N, Aritake K, Lazarus M.
掲載誌
eLife
DOI: doi.org/10.7554/eLife.20269
関連リンク
- Chemogenetic inhibition of the medial prefrontal cortex reverses the effects of REM sleep loss on sucrose consumption
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