【病院とアート】イギリスと日本の病院アートマネジメントの違いと学び
2016年4月10日 at 5:18 PM
筑波大学
芸術系 助教(外国語,芸術支援)
Herbeth L Fondevilla(ハーベス・リム・フォンデヴィリヤ)
芸術系 助教(外国語,芸術支援)
Herbeth L Fondevilla(ハーベス・リム・フォンデヴィリヤ)
2013年9月、筑波大学にてアートとヘルスケアに関するシンポジウム「Cultures of Care Symposium 2013 日英シンポジウム アートとヘルスケア」が開催された。以来、日英を互いに行き来して、それぞれのアートマネジメントのノウハウ・知見を高め合っている。芸術系助教のHerbeth L Fondevilla(ハーベス・リム・フォンデヴィリヤ)先生にお話を伺った。
フォンデヴィリア「2013年のことです。イースト・アングリア大学で学んでいる友人が日本に来た際に、筑波大学附属病院に訪れたんです。彼はそこで筑波大学の病院アートを見たのですが、病院のデザインや人がとてもフレンドリーで、とても感激したそうです。私は彼に病院アートの取り組みについて説明したところ、「君もイギリスに来て病院を見てみないか?」と誘われました」
筑波大学附属病院と筑波メディカルセンターの大学で取り組みを紹介するツアーは筑波大学、イースト・アングリア大学、ノーフォーク、ノーウィッチ大学病院間の相互プログラムの一環として行われました。
その後、フォンデヴィリア先生はイギリスのノーフォーク・アンド・ノーリッチ大学附属病院アートコーディネーターのエンマ・ジャービス氏と出会う。筑波大学での国際シンポジウム開催のきっかけである。
筑波大学 芸術系 助教(外国語,芸術支援)
Herbeth L Fondevilla
筑波大学で開催された「Cultures of Care Symposium 2013 日英シンポジウム アートとヘルスケア」の中で、エンマ氏は筑波大学の学生が全て自分たちでワークショップを行っていることに感激する。イギリスの病院アートコーディネートは日本よりも歴史は古く、アートコーディネーターは院内のアート作品の管理だけでなく、庭や家具のプロデュースも行っている。病院アートコーディネートを業務とする企業も存在する。一方で、大学と病院が協働する取り組みはこれまでになかったという。
フォンデヴィリア「大学と病院との繋がりはイギリスにはありますが、一緒に働いたりはしません。イギリスの同僚は、双方がどのように働き、どのような利益があるのか、ということに興味を持ちました。だから、今度は私たちがイギリスにこのしくみを持ち込んで、彼らに伝えようと思ったのです」
筑波からイギリスへ、フォンデヴィリア先生は学生とともにブリストルで開催されたエキシビジョンに参加した。
フォンデヴィリア「ブリストルの会議に参加した時に、イギリスの病院のアートに特化した企業willis newsonのクリエイティブディレクターであるブロンウェン氏に出会いました。彼は筑波大学のプロジェクトに興味を持ち、イギリスにも持ち込みたいと思ったそうです。ブリストルの病院で行われているFresh Arts Festival、アートの健康への効果を発表するフェスティバルに、去年私たちは招待されました」
2015年、フェスティバル参加のため再度イギリスを訪れたフォンデヴィリア先生は、クリエイティブディレクターのブロンウェン氏とともに、どんな活動をフェスティバルで行うかを検討した。
筑波大学 芸術系 助教(外国語,芸術支援)
Herbeth L Fondevilla
筑波大学 芸術系 助教(外国語,芸術支援)
Herbeth L Fondevilla
日本が行ってきたワークショップ型のアート活動はイギリスにはないものだった。アートによって文化や言葉の壁を超えた交流や学びが生まれたことは非常に価値があるだろう。一方で、アートに対する経済的な理解や支援のレベルは日本はまだまだ学ぶところが多いとフォンデヴィリア先生は語る。
日 付: 2016年4月10日