【筑波大学バドミントン部】 理論を実践に組み込む:運動に必要な3種のエネルギー
2016年5月6日 at 12:01 AM
運動において、筋肉は力を発揮する際にATP(アデノシン三リン酸)という物質を消費する。運動を持続したり、再び運動を行うためには体内でATPを再合成する必要があるが、この合成過程が運動強度によって大きく3種類に分かれている。ごく短い時間で爆発的な力を出力できる「ATP-PC系」、400m走のように強度は強いが時間としては短い「乳酸系」、長距離走など持続的に力を発揮する「酸素系」の3つである。
バドミントンにとってはATP-PC系、乳酸系のような短時間・高強度のエネルギー合成が重要
技術を活かすための身体づくり
ATP-PC系、乳酸系のような短時間・高強度のエネルギー合成がバドミントンにとっては重要だが、そのベースとして酸素を取り込む能力を鍛えることが大切になる。
筑波大学バドミントン部では、選手の酸素摂取能力を測定するために「2400m走」を定期的に実施している。
吹田「トレーニングに論理的な評価基準を設けようと思いました。2400m走の記録がバドミントン選手の酸素摂取能力の指標になるということがデンマークで実証されています。トレーニングの成果をコート上の動きだけで評価するのではなくて、数値上でも認識することが大切です。さらに、デンマークでは実際に、選手の酸素摂取能力によって、その選手が国際的な試合で活躍できるレベルか国内で活躍できるレベルか、もしくはもう少し下のグレードの選手かを分類しています。我々も2400m走を定期的に行うことで、トレーニング成果の検証や、選手の目標ステージの設定などの目安にしています」
技術を活かすための身体づくり
具体的なトレーニングメニューとしては、朝授業前にインターバル走と「パワーマックス」という自転車型のトレーニングマシンでの全力ペダリングを行う。比較的強度が高いトレーニングだ。さらに、基礎的なウェイトトレーニングを重ね、怪我をしにくい身体づくりと酸素摂取能力の向上を図る。
プロフィール | Profile
筑波大学 体育系 助教(バドミントン方法論)
バドミントン部 監督
吹田 真士
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