ナルコレプシーは、日中の強い眠気やカタプレキシーなどを主症状とし、患者の社会生活に深刻な影響を及ぼす睡眠障害です。症状を緩和させる薬による対症療法はありますが、根本的な治療法は未だ見つかっていません。
筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)の研究グループは、同機構で創出したオレキシン受容体作動薬YNT-185にはカタプレキシーを抑制する効果があるだけでなく、覚醒時間の延長を促し、体重増加を抑える働きがあることを発見しました。これらの結果により、オレキシン受容体作動薬がナルコレプシーの病因治療薬として有効であることが示されました。さらには、他のさまざまな原因によってもたらされる過剰な眠気を改善する創薬につながることも期待されます。