宍道湖、網走湖などの汽水湖でアオコが出現するメカニズムを解明

筑波大学 藻類バイオマス・エネルギーシステム開発研究センター 田辺雄彦主任研究員らの研究グループは、京都大学生態学研究センター 程木義邦特定准教授、国立環境研究所 佐野友春主任研究員との共同研究により、宍道湖(島根県)と濤沸湖(北海道)から分離されたアオコを形成するラン藻類ミクロシスティス・エルギノーザ(Microcystis aeruginosa、ミクロシスティス)2株のゲノム配列の解読を行いました。

ミクロシスティスは富栄養化した淡水の湖沼で見られるアオコの原因藻類として知られています。アオコはアオコ毒素ミクロシスチンの産生や悪臭などの水環境問題を引き起こします。ミクロシスティスは塩分に弱いため、通常は淡水にしか出現しませんが、ときに塩分の濃い汽水湖でも出現することが知られていました。本研究では、ゲノム解読、分子生物学・生理学的実験、フィールド調査等により、これら汽水湖でアオコが出現するようになった謎を解明しました。

 

 

図 汽水で出現したアオコ(網走湖から流出する網走川、2017年)