海洋研究開発機構(JAMSTEC)海洋生命理工学研究開発センターの浦山俊一ポストドクトラル研究員(当時。現 筑波大学生命環境系助教)、布浦拓郎研究開発センター長代理らの研究グループは、RNAウイルスを網羅的に検出する方法を開発し、非常に多様な RNAウイルスが海洋微生物へ感染・共存していることを発見しました。
従来、ウイルスのほとんどは病原体として捉えられてきましたが、近年の研究では病徴を示さない生物にもウイルスが感染しているという事例が報告されるようになりました。今回の研究結果は、自然界において、ウイルスの多くは宿主と穏やかな共存関係を結んでおり、少なくとも RNAウイルスにおいては宿主に著しい負荷を及ぼす病原性ウイルスは特異な一群である、という可能性を強く示しています。