2018/09/19 に公開

微生物集団を制御するためには、集団を構成する微生物の1細胞レベルで分析・評価する技術が必要となります。我々は、細胞内の酵素・核酸・脂質・二次代謝産物などに由来する自家蛍光(内在性蛍光)に着目し、1細胞からの光学的抽出技術と分析・評価技術Non-invasive Meta-imaging(NiMi)法を開発しました。本動画では、革新的なNiMi法の概説とハイスループット細胞評価系技術の基盤創製に向けた最近の取組みを紹介しています。

野村集団微生物制御プロジェクト

研究総括 野村 暢彦
(筑波大学 生命環境系 教授)
研究期間:2015年10月~2021年3月
グラント番号:JPMJER1502

 

多様な微生物が集団を形成し、相互作用を及ぼすことで、集団としてのさまざまな機能を発揮することが明らかになりつつあります。このような微生物の集団は、環境中のさまざまな場面で私たちの生活と密接に関与しており、革新的な集団微生物の制御技術の創出が期待されています。

本プロジェクトでは、多様な微生物の集団における1細胞の振る舞いや微生物間相互作用の解明に取り組みます。また、微生物の集団とその周りの環境や他の生物との相互作用にも焦点を当てることで、微生物が集団を形成することでどのように環境に適応するかを明らかにし、未解明な点が多い微生物の集団の全貌解明を目指します。具体的には、1細胞分析技術やイメージング技術の開発により、微生物集団とその内部の微生物1細胞の動態や代謝を非破壊で時間的・空間的に解析し、かつ生化学的に分析することで、集団内部での相互作用や不均一性のメカニズムを明らかにします。また、細胞から放たれる細胞外粒子を介した相互作用に関しても研究を展開し、糸状菌、細菌などの多様な微生物が織り成す生態の理解に挑みます。さらに情報科学の技術を導入して、集団の環境適応過程や変異体の出現パターンの予測を目的としたシミュレーション構築も図り、集団微生物を制御するための基盤技術の確立を目指します。

研究グループ

・微生物間相互作用グループ
・微生物・動植物相互作用グループ
・不均一性グループ
・デバイス開発・イメージンググループ
・ゲノム生化学グループ
・シミュレーショングループ

 

プロジェクトヘッドクオーター

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