筑波大学 体育系の洪性賛助教と浅井武教授、韓国のProf. Weon(Sungkyunkwan University)の研究グループは、筑波大学のスポーツ風洞施設を用いて、バレーボール表面形状により、ボールに働く空力特性が変わる事を明らかにしました。
近年、バレーボールの表面の形状が変化し、様々な凹凸をつけたものが使用されるようになりました。本研究では、このような表面形状の違いに着目し、バレーボールの向き(横と対角)における空気力(空気中を移動する際にボールへ作用する力;抗力・揚力・横力)を、スポーツ風洞を用いて計測し、ボールの発射方向が空気力に及ぼす影響について検討しました。さらに、ヒッティングロボットを用いてボールの飛翔軌道を比較検討しました。その結果、ボール表面に凹凸のない従来バレーボールでは、ボールの飛翔向きが、その空力特性に大きく影響し、飛翔軌道を決定する傾向(異方性)が見られました。一方、ボール表面に凸凹(六角形とディンプル形)形状を導入した新バレーボールでは、ボールの向きによる空力変化が小さい傾向(等方性)が見られました。このことから、ボール表面の形状を変えることで、ボールの飛翔軌道が改善できると推測できました。