代表者 : 恩田 裕一
1986年、ウクライナのチェルノブイリで原発事故が発生しました。原発事故の後、原発中心地から半径30km圏内が規制区域に指定され、現在も人々の立ち入りが制限されています。この規制区域の森林地には、原発事故によって大気中に放出された放射性セシウムをはじめとする放射性物質が蓄積しており、森林火災や火災後の土砂流出によってそれら放射性物質が再び周囲へ拡散することが懸念されています。
そこで、福島大学・筑波大学の研究メンバーはウクライナの研究機関(ウクライナ水文気象学研究所やチェルノブイリ生態センター)との国際共同研究プロジェクトの中で、規制区域内で発生した森林火災の跡地にて地表流が発生した場合にどれくらいの量の放射性物質が流出するかを調べました。その結果、チェルノブイリ原発周辺の森林火災跡地では、地表流が発生しやすくなり放射性物質を含む土砂移動(再拡散)が起っていることが明らかになりました。