優れたサッカー選手は、相手選手により多くの注意を向ける ~パス判断中の視覚情報収集方略の解明~

代表者 : 中山 雅雄  淺井 武  

筑波大学 体育系 中山雅雄教授、浅井武教授、東京成徳大学 健康・スポーツ心理学科 夏原隆之准教授、慶應義塾大学環境情報学部 加藤貴昭准教授らの研究グループは、サッカー選手のパス判断中の視覚情報収集方略の検討を行い、大学トップレベルの選手は、平均的な選手と比較して、相手選手にも多くの注意を向けているという特徴を見出しました。

本研究では、眼球運動計測と状況認知に関する言語報告の手法を用いて、注視と注意の観点から、サッカー選手のパス判断中の視覚情報収集方略についての追試研究に取り組みました。その結果、競技レベルに依存しない、サッカー選手の典型的な視覚情報収集パターンが存在することや、競技レベルの違いによって、対象を見る時間や注意の向け方に違いがあることがわかりました。これらの成果は、サッカーにおける状況判断の指導に応用できると期待されます。

図 大学トップレベルサッカー選手(High level player)と平均的なサッカー選手(Middle level player)が見ていた場所の違い