代表者 : 笹倉 靖徳
筑波大学 生命環境系/下田臨海実験センターの笹倉靖徳教授の研究グループは、国立大学法人広島大学の山本卓教授、公益財団法人サントリー生命科学財団 生物有機科学研究所の佐竹炎主幹研究員、国立大学法人岡山大学の濱田麻友子助教、沖縄科学技術大学院大学の佐藤矩行教授の研究グループと共同で、ホヤの変態(幼生期と成体とで体の形を大きく変化させる現象)を開始する化学物質が、神経伝達物質として知られるGABA(γ-アミノ酪酸)であることを特定しました。
本研究では、ホヤの体内で作られ、変態を促す物質を探索しました。その結果、神経伝達物質として知られるアミノ酸のGABAが変態を促すことが分かりました。遺伝子操作でGABAをなくしたホヤは、変態せず幼生のままです。続いて、GABAがどのようにホヤの変態を引き起こすのかを調べました。その結果、GABAはホルモンの一種である性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)を放出させること、放出されたGnRHはホヤの変態現象のなかでも、尾部の退縮を促すことが分かりました。