筑波大学医学医療系ヘルスサービスリサーチ分野/ヘルスサービス開発研究センターの田宮菜奈子教授、岩上将夫助教と医学類の鈴木俊輝5年生は、2016年に実施された「つくば市高齢者福祉計画策定のためのアンケート調査票」のデータを市の了解を得て2次的に活用し、高齢者のおけるポリファーマシー(多剤併用:本研究では6種類以上の医薬品の内服と定義)と、通院中の医療機関数との関連を分析しました。
その結果、医療機関に1施設だけ通院している人に比べて、2施設、3施設以上の医療機関に通院している人では、かかっている病気の数や種類を統計学的に考慮した上でも、ポリファーマシーの調整後オッズ比がそれぞれ約1.5倍、約3.3倍と高いことが示されました。ここでの調整後オッズ比は、1施設に通院している人に比べて、2施設、3施設以上通院している人が何倍、ポリファーマシーの可能性が高いかを示しています。
今後、これらの因果関係の検証を進めるとともに、異なる医療機関で処方された薬を把握し、重複する薬などがあった時に減らすことができるよう、かかりつけ医師や薬剤師の推進などが望まれます。