代表者 : 吉瀬 章子
近年の自動走行、AI、ビッグデータ解析等の技術の進展を踏まえ、ユーザーニーズに応じて最適な交通手段を提供するための次世代の交通サービスの実現に向け、ライドシェアサービス等の取組が活発になってきています。中でも、自動走行の1つとして、地域内といった短距離を補完する地域内ラストマイルモビリティのシェアリング事業は、高齢過疎地や交通弱者の交通手段の確保や交通サービスのコスト削減に貢献でき、その導入・活用が期待されています。
本研究では、このシェアリング事業を拡大するため、運営の効率化ならびに新規事業の可能性の分析を行っています。例えば、地域内ラストモビリティのシェアリングにおいてユーザーの需要満足率を上げるためには、モビリティ利用後に事業者による配回送作業が必要となりますが、最適化モデルに基づく分析により、事業者側は、収益率を上げるためにスタッフによる配回送を回避しようとする傾向があることがわかりました。この結果から、スタッフではなく自動運転による配回送が実現できれば、ユーザーの需要満足率と事業者収益率の向上を両立できる可能性があることが示されました。今後は需要データの確率的な変動にも対応可能な最適化モデルを構築し得られたモデルに基づいた分析を行っていく予定です。