超少子高齢化が急速に進行する我が国では、健康寿命の延伸が喫緊の社会的課題であり、これにむけたさまざまな健康づくり対策が推進されています。
本リサーチユニットでは、健康寿命の延伸にむけた運動・スポーツ活動の有効な実施方法を明らかにすることを目標として、運動・スポーツ活動が中高年者および障がい者の健康保持にもたらす効果を様々な観点から実証検討しています。
具体的には、(1) 厚生生労働省の「中高年者縦断調査」データから中年者の健康保持に有効な運動・スポーツ活動の実施方法を解明するとともに、(2)スポーツ活動を実施している高齢者および障がい者の心身健康の状態とその関連要因を検証しています。
これまでに、中年者では運動・スポーツ活動を一人ではなく人と一緒に行う場合に健康保持効果がみられること、ラージボール卓球やスキー競技を継続実施している高齢者は全国高齢者と比較して心身の健康や体力水準が優れていること、視覚障がい者について運動・スポーツ活動の実施が精神健康を保持増進することを明らかにしました。
今後は、中高年者や障がい者が職場や地域で仲間と一緒に手軽に運動・スポーツを実践できる有効なプログラムの開発や環境整備の取り組みに向けて、さらに詳細な検証を進めていきます。