マルチ・メガワットのミリ波帯マイクロ波源開発と応用

代表者 : 假家 強    
他のメンバー : 南 龍太郎  

本研究では、ミリ波帯のマイクロ波の発生装置であるジャイロトロンの開発を行っています。ジャイロトロンは、1億度を超える超高温プラズマを維持させる核融合炉の加熱装置として重要であり、核融合エネルギー開発の一環として開発されてきましたが、最近ではマイクロ波ロケットへの応用も期待されています。マイクロ波ロケットとは、地上からマイクロ波ビームを使って飛んでいるロケットに飛行エネルギーを供給する手法で飛行するロケットであり、ジャイロトロンはマイクロ波ビームの発生源として考えられています。このマイクロ波ロケットは、従来のロケットに比べて打ち上げの費用を大幅に低減させることができる可能性があり、その実現が期待されています。
現在のジャイロトロンの出力は、単管1MW(メガワット)レベルですが、数MWレベルのジャイロトロンを開発することで、GW(ギガワット)レベルのマイクロ波ビーム基地を建設できれば、マイクロ波ロケットの実現性が大きく前進します。
マイクロ波ロケット技術開発は、最近ではNASAからも大きな関心を寄せられています。ジャイロトロン開発は、筑波大学の研究グループが30年以上前から本技術に着目し、その成果を積み重ねてきており、本学の強みを生かした研究です。本研究の進展により、核融合エネルギー開発だけでなく、宇宙マイクロ波ビーム基地の世界的平等利用の実現等、宇宙開発への貢献等も期待されます。