生体組織をそのまま診断する ~ラマン散乱を用いたラベルフリー・イメージング~

【新技術の概要】

現在用いられている病理診断では固定・染色の工程が必須であるため、死細胞の染色像を用いた画像診断しか行えない。それに対して新技術では、非線形光学過程、特に非線形ラマン散乱を基盤技術として用いることで、生細胞・生体組織を新鮮なまま、ラベルフリーでそのまま可視化し、検体における分子情報をライブで取得できるイメージング手法を開発した。

【従来技術・競合技術との比較】

Benefit: 細胞内分子を「そのまま可視化」することで、がん等の病理組織を高速かつ選択的に識別できる可能性がある。これにより、色素染色などが必須であった従来の病理診断の刷新が行える。
Difference: 白色レーザーを用いたラマン分光により、レーザー光を照射するだけで細胞内分子情報を取得できる。これにより、既存の商用品にはできない新規メディカル分子イメージングの実現が可能である。

【新技術の特徴】

・ラベルフリー(色素、蛍光分子など不要)イメージングを実現
・分光学に立脚した四次元イメージング(x,y,zにくわえλ)が可能
・白色レーザーと非線形光学(多光子過程)を組み合わせた最先端イメージングを実現

【想定される用途】

・病理診断
・ラベルフリー細胞診断
・非破壊非接触 材料評価