高温超伝導体を使った小型コヒーレントテラヘルツ光源モジュールの開発

代表者 : 辻本 学  

【新技術の概要】

幅広い学術及び産業分野で利用可能なテラヘルツ光源モジュールの実現を目指し、高温超伝導体光源素子、電極リード、コリメートレンズなどのパッケージ化技術確立に挑む。素子作製技術と数値シミュレーションによる発熱解析を組み合わせることにより、最適化されたモジュール構造及び制御技術を提供する。

【従来技術・競合技術との比較】

利便性の高い小型テラヘルツ光源の開発は遅れている。従来の半導体レーザーでは熱励起による出力の低下が指摘されており、サブテラヘルツ帯での連続発振は原理的に困難である。一方、巨視的量子干渉効果を利用した本技術はコヒーレントかつ連続波長可変なテラヘルツ波を発生させることができる点で優れている。

【新技術の特徴】

・利用価値の高いコヒーレントな連続テラヘルツ波の発生が可能
・物理的・化学的に安定で取り扱いやすい小型モジュール構造
・超伝導体の量子力学的干渉効果に基づいた広帯域の波長可変性

【想定される用途】

・化学物質の同定及び精密分析
・生体やセキュリティ用途の非破壊・非侵襲イメージング
・高速無線通信用の発振器