「DIAMonDS」でハエの一生を記録する -ショウジョウバエの個体別活動測定システムを開発-

理化学研究所(理研)開拓研究本部眞貝細胞記憶研究室の成耆鉉協力研究員(研究当時)、山形大学の姜時友助教、松村泰志博士研究員(研究当時)、筑波大学の丹羽隆介教授、島田裕子助教の共同研究グループは、ショウジョウバエの一生で起こる蛹化・羽化・死亡のタイミングを、個体別に自動で大量に測定でき
る新しいシステムを開発しました。本研究成果は、モデル生物であるショウジョウバエを用いたさまざまな研究の進展だけでなく、毒性実験や創薬など医学・農学分野への応用に貢献すると期待できます。
生物の各成長段階の期間の長さは、個体内外のさまざまな要因の影響を受け、その結果として決まります。そのため、各成長段階の転換時点を詳細に測定できれば、遺伝子や環境因子、複合的な相互作用の解析など、さまざまな研究に利用できます。今回、共同研究グループは、ショウジョウバエの蛹化・羽化・死亡の
タイミングを個体別に測定するシステム「Drosophila Individual Activity Monitoringand Detection System;DIAMonDS(ダイヤモンズ)」を開発しました。DIAMonDSは市販の比較的安価な商品で構築され、独自に開発したソフトウェアSapphire(サファイア)を導入したことで、低コストかつ高精度に測定できるという利点
があります。
本研究は、オンライン科学雑誌『eLife』(11 月10 日付:日本時間11月10日)に掲載されます。