核実験由来のセシウム137は半世紀後も森林内に留まっていた

国⽴研究開発法⼈森林研究・整備機構森林総合研究所と国⽴⼤学法⼈筑波⼤学の共同研究グループは、⼤気圏内核実験で放出された放射性セシウム(ここでは、セシウム137、⽤語解説1)の⽇本の森林における残留実態を明らかにしました。
森林に降下したセシウム137は⼟壌粒⼦に吸着されて森林⼟壌の表層部に留まりながら、半減期30.2年の放射性壊変により減少していくと予測されています。降下から⻑期間が経過したセシウム137が実際に森林内に留まっているかどうかを検証するため、1960年前後に森林に降下したセシウム137が約50年後の森林⼟壌にどの程度蓄積しているか調査しました。福島原発事故発⽣の直前に採取し保管されていた全国の⼟壌試料を分析したところ、⼤気圏内核実験で放出されたセシウム137は2000年代後半には放射性壊変によって半分以下となっていますが、残りの⼤半が森林⼟壌に留まっていることが実証されました。
本研究成果は、2020年10⽉5⽇にJournal of Environmental Radioactivity誌でオンライン公開されました。