代表者 : 小池 関也
Keyword
因果関係に基づく分析、少ないデータ数での機能抽出、関節や筋の機能の定量化
研究テーマ
- スポーツ動作生成のしくみを解き明かす
- 動きや用具の改善方法を探る
- スポーツ用具をどのように扱っているか明らかにする
研究ハイライト
身体を,多くの節が関節によって繋がった多体系としてモデル化しますと,この多体系の運動方程式は,関節トルク(あるいは筋張力)を系の入力,動作を系の出力とする入出力間の因果関係を表しています.そこで,この運動方程式を利用して,評価したい物理量(ランニング中の推進力,跳躍動作の鉛直速度など)がどの関節トルクによって,あるいはどの筋張力によって,どのように生成されているかを定量化できるようになります.
テニスサーブ,野球打撃動作,投球動作,ゴルフスウィングなど,高速なスウィング動作では,多体系の力学的な特徴である遠心力やコリオリ力といった項が,そのスピード生成に大きく貢献します.そこで,系の運動方程式を利用した漸化式を導出することによって,これら遠心力およびコリオリ力の生成要因を定量化して,関節トルクの累積的(間接的)な効果を明らかにしています.野球打撃動作,ゴルフスウィング,陸上棒高跳びなどの種目では,両手によって用具を扱います.このような場合,画像情報によって動作を観察するだけでは,選手が左右の各手によって用具にどのような力を作用させているかわかりません.これは閉ループ問題と言われています.そこで,ひずみゲージを利用したセンサーグリップハンドルを開発して,各種目での閉ループ問題を解決しています.
研究の応用・展望
- 多体系としての身体,アクチュエータとしての筋肉,構造物としての用具,それぞれの因果関係に基づく動作の分析
- センサーの計測技術および動作の分析技術を応用した,現場へのフィードバックやコーチングへの活用
- 力のセンシング技術を利用した,様々なスポーツシーンにおける力の計測
文献・知財・作品
- Koike et al., (2019) Direct and indirect effects of joint torque inputs during an induced speed analysis of a swinging motion, Journal of Biomechanics. ※ 2020年度日本バイオメカニクス学会 学会賞・松井賞 受賞論文(2018年および2019年の2年間に当学会員が筆頭著者として刊行された国内外の該当領域での最も優れた論文として理事会が認定 2020年9月)
- Koike et al., (2017) Modelling error distribution in the ground reaction force during an induced-acceleration analysis of running in rear-foot strikers, Journal of Sports Sciences.
- 仲谷政剛,小池関也 収縮様式を考慮した定速走動作における支持脚筋群の動力学的な役割.バイオメカニズム学会誌,38(1),61-73,2014.※主指導院生在籍時筆頭論文 2014年度バイオメカニズム学会 学会賞・論文賞 受賞論文 2014年11月.
http://lasbim.taiiku.tsukuba.ac.jp/
50272670
https://orcid.org/0000-0001-8797-7014
体育系 Faculty of Health and Sport Sciences