Keyword
競争戦略、ダイナミック・ケイパビリティ、超長期
研究テーマ
- 動態的な競争戦略論
研究ハイライト
日本企業、特に日本の製造業は海外の企業に比べ長年にわたり収益性が低かったという点が指摘されています。近年、経営管理における収益性の重要性が認識されるようになってきたとは言うものの、未だグローバル比較の中では収益性は低く、日本の大企業の多くは「収益不全」と言って良い状況にあると考えられます。また、GAFAに代表されるような、次の時代を牽引する力強いビジネスの創出に日本は必ずしも成功してきたとは言い難い状況にあります。一般的に言って、高度な科学技術を基盤とする日本の製造業は、資源蓄積による能力構築型の競争戦略をとるという特徴を有していますが、この長期的な低収益性をはじめとする乏しい経営成果は、資源・能力から経営成果に至るまでのメカニズムが長きにわたり十分に機能してこなかったことを示唆しています。このような状況に対して、経営戦略論における議論の中で、継続的に経営成果を創出するためには外部に存在する資源・能力や市場機会を感知、捕捉し、自社の資源・能力を再配置していく能力、すなわち、企業が持つ資源・能力そのものを変革していくメタ能力(ダイナミック・ケイパビリティ)が注目を浴びるようになりました。そこで、このような動態的な視点から、日本の製造業において、収益性改善・事業強化に向けての企業変革を実現するための戦略論について研究を行っています。より具体的には、研究開発投資の長期的パターンが収益性にどのような影響を与えるのかについての実証研究をおこなったり、企業経営の重要なサイクルである中期経営計画のに関して、その中期経営計画の内容・特徴の理解、ならびにそれらが経営成果に与える影響等について研究を進めています。今後とも、長期的に自己を変革し、経営成果を創出を実現するための実務上の示唆を創出していきたいと考えています。
研究の応用・展望
動態的な経営戦略立案手法の解明に向けての研究
文献・知財・作品
- 平井孝志,日本企業の収益不全, 白桃書房, 2012
- 平井孝志, 戦略力を高める, 東洋経済新報社, 2010
60800597
ビジネスサイエンス系
Faculty of Business Sciences
Collaborators: