劣化したコンクリート構造物の性能を予測する手法を開発

代表者 : 金久保 利之  

コンクリート構造物の主な劣化要因として、コンクリートの中に入っている鉄筋の腐食が挙げられます。鉄筋が腐食すると、腐食生成物を析出して体積膨張を起こし、コンクリートにひび割れを発生させます。従来、この現象を実験的に再現させるためには、暴露実験や、鉄筋に強制的に通電させる電食実験が行われています。しかし、これらの実験方法では数ヶ月~数年の期間を要したり、意図したような劣化が得られないことがあります。本研究グループはこれまで、この現象を数日間で模擬できる実験技術を開発し、鉄筋腐食膨張によりひび割れが発生したコンクリートの性能を系統的に調べてきました。

今回、鉄筋とコンクリートの相互作用である付着性能に着目し、コンクリートのひび割れ幅を主要因子とした付着実験から、ひび割れ幅を入力値とした付着強度の劣化予測式を提案しました。

コンクリートのひび割れは、コンクリート構造物の劣化程度を知る手がかりとなる最も簡易な情報であり、本手法は、これを利用した迅速な劣化診断技術につながると考えられます。

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プレスリリース

研究代表者
筑波大学システム情報系
金久保 利之 教授

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システム情報系