代表者 : 石賀 康博
近年、キャベツやハクサイなどのアブラナ科野菜生産において、アブラナ科植物黒斑細菌病が世界的に大きな被害をもたらしています。細菌病の主な防除手段は殺菌剤の散布ですが、それらの薬剤に耐性を持った細菌が出現するなどさまざまな問題があり、持続可能な農業の観点から、新たな防除方法の開発が求められています。
本研究では、キャベツ黒斑細菌病において、天然に存在するアミノ酸による葉面処理の防除効果を検討しました。その結果、多くのアミノ酸がキャベツ黒斑細菌病の抑制に寄与しており、それらは、細菌が植物に侵入する前の感染過程で防除効果を発揮することを見いだしました。また、そのメカニズムとして、気孔開口幅が減少して植物への細菌侵入数が抑制されるために、キャベツ黒斑細菌病の症状が抑えられていることを示しました。
以上より、アミノ酸葉面処理はキャベツ黒斑細菌病を防ぐための有効な方法であることが明らかになりました。天然化合物を用いて細菌の侵入場所である気孔の開口幅を調節する病害対策は、持続可能な農業の実現に資すると考えられます。
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プレスリリース
研究代表者
筑波大学生命環境系
石賀 康博 助教