在宅での運動プログラムの実施状況を遠隔モニタリングするトレーニングシステムを考案

代表者 : 國府田 正雄  

動画視聴によって簡単かつ短時間で行える複合型運動プログラムと遠隔モニタリングシステムで構成された在宅トレーニングシステム「スクバラ®」を開発しました。高齢者を対象とした検証により、このシステムにより、筋肉の量を増やし、また足の力を強くする可能性が明らかになりました。
現在、わが国は超高齢社会に直面しており、フレイル(加齢により心身が老い衰えた状態)になってしまう高齢者が増えています。フレイルになると、その後の人生で、歩けなくなったり寝たきりになる確率が高く、また、医療や介護に関わる費用も増えるなど、さまざまな影響が生じます。

フレイル対策には、運動がとても大事であることはよく知られていますが、高齢者を対象とした自宅でも簡単に行えるトレーニングシステムは確立されていません。そこで本研究グループは、簡単な運動プログラムと、その実施状況を遠隔で管理できるモニタリング機能を備えた「スクバラ®」という新しいトレーニングシステムを考案しました。スクバラ®では、レジスタンス運動とバランス運動を組み合わせた、短時間で完遂できる複合型の運動プログラムが動画チャンネルで提供されます。これに、モニタリングシステムが組み合わされており、動画チャンネルの管理者が、各参加者に割り当てた動画の視聴時間を、運動プログラムを実際に行った時間としてカウントおよびモニタリングします。

つくば市在住の健常な高齢者を対象にスクバラ®の効果を検証したところ、これにより、全身の骨格筋量を増やし、下肢の筋力を強化する可能性を見いだしました。

このようなシステムを発展、普及させることで、高齢者を対象とした体系的なフレイル予防システムの構築に貢献できると期待されます。

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プレスリリース

研究代表者
筑波大学医学医療系
國府田 正雄 准教授

筑波大学システム情報系
鈴木 康裕 助教

掲載論文
【題名】 Effectiveness of a Remote Monitoring-Based Home Training System for Preventing Frailty in Older Adults in Japan: A Preliminary Randomized Controlled Trial.
(日本人高齢者を対象にフレイル予防のために開発した遠隔モニタリング式在宅トレーニングシステムの効果-ランダム化並行群間試験による予備的調査-) 【掲載誌】 Geriatrics 【DOI】 10.3390/geriatrics9010020