ジャンプサーブのボール回転は「手の向き」で決まる

代表者 : 中西 康己  

大学生女子バレーボール選手(日本代表選手経験者)を対象に、ジャンプサーブにおけるボール回転と手掌面の向きとの関係を三次元動作解析により詳細に検討しました。その結果、手の向きの違いが、ボールに付加される縦回転および横回転の大きさと対応していることが明らかになりました。

ジャンプサーブは、現代バレーボールにおいて試合の流れを左右する重要な得点技術です。近年は、ドライブサーブ(縦回転:トップスピン)にサイドスピン(横回転)やロースピンを組み合わせた「ハイブリッドサーブ」が注目されていますが、ボールに加わる回転が生み出される仕組みは十分解明されていませんでした。

本研究では、日本代表選手としての経験がある大学生女子選手1名を対象に、ジャンプフローター、ジャンプドライブ、ジャンプハイブリッド(サイドスピン型)の3種類のサーブを各10試技ずつ実施し、三次元モーションキャプチャを用いてボール速度、縦回転数、横回転数、さらにインパクト時の手掌面の向き(迎え角)を高精度に計測しました。

その結果、ドライブおよびハイブリッドサーブではフローターサーブに比べて縦回転数が明確に大きく、特にハイブリッドサーブでは横回転数が顕著に高い値を示しました。さらに、矢状面の迎え角が大きいほど縦回転が、水平面の迎え角が大きいほど横回転が増加する対応関係が確認されました。とりわけハイブリッドサーブでは、水平面迎え角が大きく、横回転生成との関連が強く示唆されました。

これらの知見は、ジャンプサーブの回転生成が偶然ではなく、インパクト時の手掌面の姿勢制御と密接に結びついている可能性を示すものです。本研究は単一事例に基づく記述的検討ですが、熟練選手の高度な技能を精密に可視化した点に意義があり、データに基づくサーブ指導やトレーニング設計への応用が期待されます。

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プレスリリース

研究代表者

筑波大学 体育系
中西 康巳 准教授

IPU・環太平洋大学 競技スポーツ科学科
浅井 武 教授

掲載論文

【題名】
大学女子エリートバレーボール選手におけるジャンプサーブのボール回転数と迎角の特徴
【掲載誌】
コーチング学研究
【DOI】
10.24776/jcoaching.40.1_79

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