代表者 : 中野 裕昭
2014/06/19
筑波大学生命環境系の中野裕昭助教は、平板動物を日本各地から採集することに成功しました。
平板動物は3層に配置されたわずか5種類の細胞からなる、直径0.5~3mm程の海産動物です。本研究では、安定した採集方法を確立した上で調査を行った日本の6カ所すべてにおいて、平板動物の採集に成功しました。2カ所からは冬期にも採集に成功しており、一年中日本各地に平板動物が生息していることが示唆されました。また、熱帯から亜熱帯に分布すると考えられてきた平板動物が、北太平洋をはじめ世界中の温帯や亜寒帯の海域にもいることが推測され、これらの集団を研究することで、発生過程など未だに多く残る平板動物の謎の解明が進むことが期待されます。
図 平板動物。前後、左右の区別はなく、体中に生えた繊毛を使って水槽の底をいろいろな方向に這い回ります。消化器官、排出器官、神経系など、組織、器官はありません。大きさは約1mm。
中野裕昭助教