東北沖地震後の急速な応力回復から示される巨大地震発生の不規則性

筑波大学生命環境系のBogdan Enescu(ボグダン エネスク)准教授、スイス連邦工科大学チューリッヒ校のStefan Wiemer教授らの研究グループは、2011年東北沖地震後に見られる応力回復が従来考えられているよりもかなり急速に進んでおり、現在既に同地震前の応力状態に近くなっていることを突き止めました。これは、今後いつ再び大地震が発生してもおかしくない状態にあることを示しています。また、同地震震源域周辺との応力状態に空間的な差が見られないことから、今後起きる地震の大きさを予測するのは困難です。すなわち、本研究によって沈み込み帯における巨大地震には特徴的な大きさや繰り返し間隔が存在しない、ということが示唆されます。