独立行政法人海洋研究開発機構・米国ロードアイランド大学・東京大学・広島大学・静岡県立大学・筑波大学などの研究グループは、統合国際深海掘削計第329次研究航海「南太平洋環流域生命探査」を実施し、地球上で最も海水の透明度が高いこと(=海水中の有機物が最も少ない)で知られる南太平洋環流域の海底を米科学掘削船「ジョイデス・レゾリューション号」で掘削しました。同航海により採取されたコア試料を分析し、世界各地の海洋堆積物の堆積速度や酸素濃度等に関するデータと比較・統合した結果、全海洋の最大37%の範囲を占める外洋環境において、表層から1億年を超える海洋地殻(玄武岩)直上までの全ての堆積物に酸素が存在していることを世界で初めて実証しました。さらに、それらの酸素に富む堆積物環境に、極めて代謝活性が低い好気性の微生物が生息する「超低栄養生命圏」が存在することを発見しました。