2015/05/22
筑波大学生命環境系 林純一特命教授の研究グループは、ヒトの老化に伴うミトコンドリア呼吸活性低下の原因は、従来言われていた突然変異ではなく、核遺伝子の可逆的変化(ゲノム修飾)であることを明らかにしました。
図 従来の仮説(上図)では加齢に伴う呼吸欠損の原因はmtDNAの突然変異にあると主張する。しかし今回、老化した個体の繊維芽細胞のmtDNAには突然変異が蓄積していないこと、さらにこの繊維芽細胞をいったんiPS細胞にして初期化し、再び繊維芽細胞に分化させると呼吸機能が回復することを発見した。以上の結果から呼吸欠損の原因は突然変異ではなく核のゲノム修飾にあるという新仮説を提案した(下図)。またこの呼吸欠損はグリシン添加で回復することから、グリシンの継続的な摂取が老化緩和に有効である可能性を示唆している(下図)。