新しいタイプの抗がん剤開発につながる成果 ~γ-チューブリン特異的阻害剤の開発に成功~

代表者 : 臼井 健郎  木越 英夫  

2015/10/30

筑波大学生命環境系 臼井健郎准教授と知念拓実研究員、ハイデルベルク大学 Elmar Schiebel教授、筑波大学数理物質系 木越英夫教授、岡山大学大学院自然科学研究科 早川一郎准教授、東京薬科大学 林良雄教授、理化学研究所生命システム研究センター 岡田康志チームリーダーと島知弘研究員(現東京大学大学院理学研究科助教)は、α/β‐チューブリン阻害剤であるGlaziovianin AとPlinabulinを合成展開することで、γ-チューブリン阻害作用を示す化合物の開発を進め、γ-チューブリン特異的阻害剤Gatastatinの開発に成功しました。さらにGatastatinを用いて、細胞分裂期後期の微小管機能にγ-チューブリンの機能が重要なことを明らかにしました。これらの成果は、細胞内でのγ-チューブリン機能の解析や、新たな抗がん剤の開発へと繋がる知見を提供するものです。

 

図 今回の研究で得られたγ-チューブリン特異的阻害剤Gatastatin(右)とその元になったAG1(Glaziovianin A(左))の化学構造