日野原伸生助教の論文がPhysical Review Letters誌に掲載

代表者 : 日野原 伸生  

国際テニュアトラック教員としてMichigan State Universityに派遣中の日野原伸生助教の論文がPhysical Review Letters誌に掲載されました。

 

研究の概要

Pairing Nambu-Goldstone Modes within Nuclear Density Functional Theory

(原子核密度汎関数理論における対相関による南部・ゴールドストーンモード)

 

 南部・ゴールドストーンモードは、大局的な連続対称性が自発的に破れている物理系の励起スペクトルにおいて現れる。このモードに対応した南部・ゴールドストーンボソンは、超伝導体、磁性体、流体、原子核、素粒子を含む多様な物理系において見られる。

 本研究では、偶数個の中性子および陽子からなる超流動原子核の束縛エネルギー差が、核子対凝縮にともなうゲージ対称性の破れの理論形式によって定量的に記述できることを示した。対凝縮は対回転と呼ばれる破れたゲージ対称性を回復する南部・ゴールドストーンモードを生み出すが、特に、中性子対および陽子対の対回転の慣性モーメントは原子核における対相関の優れた指標となることを示した(図1)。さらに、中性子と陽子の両方がそれぞれ対凝縮している原子核の基底状態において、中性子、陽子の対回転モードが混ざり合うことも示した(図1b)。

 

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図1:陽子、中性子の二自由度からなる二次元対回転の慣性モーメントの対角成分Jnn(a), Jpp(c)および非対角成分 Jnp(b). 中性子および陽子が対凝縮しているEr(エルビウム)同位体の基底状態での理論値および束縛エネルギー差から導出した実験値。

 

論文へのリンク

“Pairing Nambu-Goldstone Modes within Nuclear Density Functional Theory”