導電性高分子の中をらせん状に電気が流れる構造 ~らせん状の電荷担体「カイラリオン」を確認~(2016.05)

代表者 : 後藤 博正  

2016/05/27

筑波大学数理物質系後藤博正准教授は、らせん構造の導電性高分子において、電気伝導を担う単位構造である「バイポーラロン」がらせん状に生成していることを確認し、これらを総称して「カイラリオン」と名付けました。

本研究により、らせん状導電性高分子ポリエチレンジオキシチオフェンが、赤外線を吸収するだけでなく、右あるいは左に円偏光した(回転した)光を吸収する性質を有することがわかりました。今後、光通信分野への応用が期待されます。

 

図 (上): カイラリオンの模式図.黄色の部分が電荷をもったカイラリオンで、このユニットが電気伝導を担い、高分子鎖の中を移動することにより導電性を示す.(下): 上図のリボン状の高分子主鎖がらせん状に巻き、これに沿ってカイラリオンが流れる様子。らせん状の線は高分子の連続体を表す。