代表者 : 所 裕子
2016/06/07
東京大学大学院理学系研究科の大越慎一教授、筑波大学数理物質系の所裕子准教授、日立ハイテクサイエンスの山岡武博博士らの共同研究グループは、ε-Fe2O3単結晶フェライト棒磁石を合成し、磁気力顕微鏡用の探針(プローブ)を開発しました。
このε-Fe2O3磁気力顕微鏡プローブは、従来測定が困難であった強力な磁石の表面や、強磁場下での磁性材料の測定を可能にします。また、181ギガヘルツ(GHz)という極めて高い周波数のミリ波吸収を示すことが明らかになり、ε-Fe2O3フェライト棒磁石からなる塗布液とフィルムの開発も行いました。ε-Fe2O3フェライトは、高周波ミリ波吸収材として安全運転支援システムなどのIoTに貢献する素材として注目されています。
図. (a)サブミクロンサイズのε-Fe2O3の結晶構造と、(b)走査型電子顕微鏡像、および、(c)原子間力顕微鏡像(白黒)と磁気力顕微鏡像(赤青)を重ね合わせた像。赤色及び青色はそれぞれN極およびS極を示している。(d)室温において測定したε-Fe2O3ロッド配向膜の面内磁化vs外部磁場プロット。