代表者 : YING BEIWEN 天笠 俊之
2019/05/23
筑波大学 生命環境系 應蓓文(YING BEIWEN)准教授および筑波大学計算科学研究センター 天笠俊之教授らの研究グループは,細菌の増殖速度や個体数を決定づける化学物質の影響を、網羅的な実験およびそれによって得られた実験データに対するビッグデータ解析によって明らかにしました。
本研究では、細菌の増殖を決定づける培地成分の分析に、データサイエンスのアプローチを世界で初めて試みました。化学成分の組合せによる培地条件の設定、およびそこで実際に培養した細菌の増殖に関する時系列データを網羅的に取得しました。このような「培地条件−増殖速度」および「培地条件−飽和密度」のビッグデータから、増殖を左右する決定的な要因を、機械学習によって推定することに成功しました。その結果は、従来の微生物学における常識とは全く異なり、細胞増殖の最重要因子が炭素源ではなく、窒素源や金属イオンであることを示しました。また、予測された増殖の決定因子が、異なるメカニズムで細胞内に働くことも示唆されました。