Keyword
組織変革、組織の認識
研究テーマ
- 組織にとって変えるべきものとそうでないものとは
研究ハイライト
「生き残るためには変化し続けなければならない」ことが組織にとっては当然のことように考えられています。しかし、変わらなければならないということを強調するあまり、変化させてはいけないものまで変えてしまい、本来の強みを見失って業績を悪化させ迷走するといった問題も生じているのではないでしょうか。そこで、迷走につながる変革とはどのようなものか、そして、迷走が生じる背景にはどのような要因が存在するのかを明らかにしたいと考えています。
日本企業の例を見ても、変革が期待したような効果を上げていないどころかマイナスの影響を与えているケースも少なくありません。環境の変化に合わせて企業が変化しなければならない局面は確かに存在しますが、どのような場合に企業にとってプラスの影響をもたらし、反対にどのような場合に迷走につながってしまうのかを明らかにすることで、変化の重要性ばかりを考えるのではなく、守らなければならないものは何かについての知見を提示できるのではないかと考えています。
また、迷走が生じる背景にある要因を明らかにすることで、実際の企業の経営に対しても有意義な示唆を持つ研究になると考えています。
いつの時代でも、あたらしい経営手法は次々に生み出されています。それらは一見、革新的で、自分たちの抱える課題を解決してくれるもののように見えるかもしれません。しかし、どのような経営手法であっても、すべての組織の問題を解決できるような万能薬ではありえません。
にもかかわらず、次々と新しい経営手法を取り入れようとし、あたかも組織を変えることが手段ではなく目的になっているように見える場合すらあります。そのような「変革の迷路」に入り込まないためにも、組織の本質を考え、変えるべきものとそうでないものを見極めることが重要なのです。
研究の応用・展望
- 企業における変革プロセスの調査・分析
- 企業におけるアイデンティティ確立の調査・分析
文献・知財・作品
- Suh, Y., Mitomi, Y., & Sato, H. (2019)“Resource-based venturing:The case of Venture Whisky,” Annals of Business Administrative Science, 18(5), 171-181.
- 佐藤秀典(2018)『組織アイデンティティの機能』有斐閣
- 稲水伸行, 佐藤秀典(2018)「セールス研究の現状と営業研究の課題」『一橋ビジネスレビュー』 66(3), 24-41.
- 山田耕嗣, 佐藤秀典(2014) 『コア・テキスト マクロ組織論』 新世社.
- 佐藤秀典 (2013)「ルーチン形成における管理者の認識とパワー―自動車販売現場における管理者の役割―」『組織科学』 47(2), 47-58.
70588293
https://orcid.org/0000-0001-5382-1695
ビジネスサイエンス系
Faculty of Business Sciences
Collaborators：