ポーランドのクラクフで開催されている「International Print Triennial 2021 in Krakow※」にて、本学大学院人間総合科学研究科(博士後期課程)芸術専攻3年次の日高 衣紅(ひだか いく)氏(指導教員:芸術系 田島直樹教授)の出展作品:Collected Conversationsが Grand Prix MTG 2021(グランプリ)を受賞しました。
本作品は、作家が街中で収集した見ず知らずの人の会話をスクリーンプリントによって刷り重ねた9点の作品から構成されています。インクの積層によって文字がほころび失われていく様子は、会話の齟齬や、時と共にそこにある物語が消滅していくことを表しています。また本作は、現在の世界的なパンデミックによって失われた街中の会話を浮かび上がらせる点が評価されました。なお、2021年6月26日から7月31日までノバフタ文化センターで開催されるメインエキシビジョンにて同作品が公開されております。また、2022年には、現地で日高 衣紅さんの個展が企画されています。
※クラクフ国際版画トリエンナーレ
ポーランド南部の都市クラクフで3年に1度開催される国際版画公募展。 デジタルメディアやインスタレーションなどを含むマルチメディアを公募対象とする。 1966年に始まるクラクフ国際版画ビエンナーレを前身とし、1992年にクラクフ国際版画トリエンナーレ協会(International Print Triennial Society in Krakow)が設立され、トリエンナーレとなる。 過去に菅井 汲、池田 満寿夫、黒崎 彰、野田 哲也、木村 光佑、木村 秀樹、井田 照一など、著名な日本人版画家が受賞している。本展では、23ヶ国の作家74名が一次審査を通過(74名のうち日本人は2名)。最終選考の結果、2021年6月25日に大賞が発表された。