ネットワークの視覚的表現をアニメーションで読み取りやすくする手法を開発

代表者 : 三末 和男  

Webのリンク構造や企業間の提携関係、人間関係などのネットワークを表現するものとして連結図が広く使われていますが、大規模なネットワークでは多くのリンクが密集して重なり合うといった視覚的混雑が発生し、情報を読み取ることが困難になります。その対策としてさまざまな手法が提案されていますが、その一つに「部分エッジ描画」があります。リンクの一部分を省略することで視覚的混雑を抑える効果があり、従来の連結図に比べて、読み取りに長い時間を要するものの、精度は良好であるということが示唆されています。

本研究グループはこれまでに、この部分エッジ描画を拡張して、リンクの表現にアニメーション(モーフィング)を導入し、リンクを時間とともに伸縮させる表現手法「モーフィングエッジ描画」を開発しており、すべてを一度に重ねて描くと密集して重なり合うようなネットワークでも、時間を分けて描くことで視覚的混雑が回避され、部分エッジ描画よりも読み取り時間に関して優れていることが分かっています。本研究では、ネットワークの規模が大きくなった時にモーフィングの周期も長くなるという問題に対して、モーフィングの周期を短縮する手法を新たに3種類開発しました。これにより、読み取り時間がさらに短縮できると期待できます。

本研究成果は、アニメーションを導入することで、ネットワークの視覚的表現を時間軸方向に拡張したものであり、今後、評価実験等を通して、その表現形式の有効性を確認する予定です。

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プレスリリース

研究代表者
筑波大学システム情報系
三末 和男 教授