組織構造やコンピュータネットワークなどの階層構造を可視化する際、同レベルのノード群が水平に配置されて全体形状が極端に横長になることを避けるレイアウト手法を開発しました。この手法では、蛇行した線上にノード群を配置し、描画領域のアスペクト比に応じた階層構造図を描くことができます。
組織構造やコンピュータネットワークなどに見られる階層構造は、数学的には、節点(ノード)間の関係を辺(エッジ)でつないだ「根付き木」として抽象化でき、これを図として可視化することで、階層構造の把握が容易になります。しかしながら、従来の可視化手法では、図の全体形状が極端に横長になる場合があり、描画領域のアスペクト比によっては、図が大幅に縮小されるとともに、描画領域の多くの部分が無駄な余白になるという問題があります。
本研究では、このような問題に対して、階層構造における上下関係を視覚的にも上下に配置する「一方向」という条件は維持しつつも、同レベルのノード群を水平線上に配置するという条件を緩めたレイアウト手法を開発しました。この手法は、水平線ではなく、蛇行した(時には垂直な)線上に同レベルのノード群を配置するもので、「一方向局所蛇行レイアウト」と名付けました。大規模組織のコンピュータネットワークのように、スイッチと多くの端末から構成されるネットワークを従来の階層レイアウトで可視化すると、極度に横長の図になりますが、一方向局所蛇行レイアウトを用いると、描画領域のアスペクト比に応じて、効率良くおさまるネットワーク図を描くことができます。
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プレスリリース
研究代表者
筑波大学システム情報系
三末 和男 教授
掲載論文
【題名】 Area-adaptive Drawing of Rooted Trees
(根付き木の描画領域に適合した描画)